『光だ!』

2001年作『光だ!』です。15×11cmの小さな作品です。

この作品には、よく見ると「2/10」というエディションナンバーが入っています。

版画では珍しいことではありませんが、父の作品としてはむしろ珍しい例です。

父は版画家でありながら、多くの作品を
一枚しか刷らないことも少なくありませんでした。

もちろん何部か刷った作品もありますが、売るために同じ作品を大量に作る
という発想はあまりなかったように思います。

次々と新しい作品を作ることの方に関心が向いていたのでしょう。

特に大きな作品になると、
一枚刷るだけでも半日近くかかることがあります。

それでも同じ作品を何枚も刷るより、新しい作品を彫りたいという
気持ちの方が強かったのかもしれません。

作りたいから作る。

作品が欲しいと言われれば改めて刷ることもありましたが、
基本的には次の作品、また次の作品へと関心が移っていきました。

そうした制作姿勢には、どこかアール・ブリュットにも通じる自由さが感じられます。

この記事を書いた人

羽田智憲